主な種類と特徴

アスパラガスといえば、第二次世界大戦以前は缶詰加工用に盛り土をして軟白栽培するホワイトアスパラガスでしたが、食生活の洋風化や健康志向の高まりとともに現在は、太陽を浴びて栄養をたっぷり含み、地上に伸びた緑の若茎を収穫するグリーンアスパラガスが主体となって消費されており、流通量の9割以上を占めています。最近はこれ以外にも、生鮮用のホワイトアスパラガス、紫アスパラガス、ミニアスパラガス等、色や大きさのバリエーションも増えています。アスパラガスは、収穫ピーク時(高温時)には、1日に10㎝以上伸びる驚異的な成長力を持つため、1日2回収穫します。また、アスパラガスは種を植えて3年目から収穫します。10年以上収穫することも可能ですが、長く収穫すると収量も落ち病気にかかりやすくなるため10年程度で植え替えます。
*グリーンアスパラガス 日本で最も流通量が多く主に生食用として利用されています。主な品種に品質がそろい、収量性、穂先の締り等に優れる”ウェルカム”、”スーパー ウェルカム”、”グリーンタワー”等があります。
*ホワイトアスパラガス グリーンアスパラガスと同じ品種を、土を寄せて光が当たらないように軟白栽培したものです。ヨーロッパでは、アスパラガスというとホワイトアスパラガスを指し、春を告げる野菜として親しまれています。日本では、以前はほとんどが缶詰に加工されていましたが、生鮮での食べ方がレストラン等で取り入れられ、家庭でもさまざまな調理方法で食されています。独特の風味とほろ苦さがありせがないのでどんな料理にも向きます。
*紫アスパラガス 日本での流通量はわずかですが、ヨーロッパでは一般的な食材として流通しています。グリーンアスパラガスやホワイトアスパラガスとは品種が異なり、糖度が高く柔らかい食感が特徴です。また、表皮にポリフェノールの一種であるアントシアニンを豊富に含むことから、 生活習慣病の予防や疲れ目の回復効果等が期待できます。
*アスパラソバージュ 日本で最近出回り始めたアスパラソバージュは、アスパラガスとは別種ですが姿が似ていることから、「森や野のアスパラガス」と呼ばれています。 栽培が難しく日本で流通しているものは、フランスで山取りされたものが冷凍や冷蔵で空輸されたものです。オクラのようなネバネバした食感が特徴で、味が淡白でくせがないためサラダやスープ料理に利用されます。
*ミニアスパラガス  日本での流通量はわずかです。茎が細いア スパラガスを10㎝程度の長さで若取りしたものです。下処理の手間がかからず、手軽に調理できるため最近人気が出ています。タイやフィリピン等からの輸入物が主体ですが、長崎県等の国内産も流通しています。

栄養素・機能性成分

 アスパラガスの中で最も栄養価が高いのは、太陽を浴びて育ったグリーンアスパラガスで、ビタミン類を豊富に含みます。特に葉酸を多量に含むので、貧血気味の人にはおすすめです。アスパラガスは、穂先にルチンやグルタチオン、アスパラギン酸といったアミノ酸の一種をたくさん含み、茎の基部には、サポニンの主要成分であるプロトディオシンを含みます。中でも多量に含まれているアスパラギン酸には、体内でエネルギー代謝を活発にし、疲労回復を早める効果があります。また、神経に好ましくない作用をするアンモニアを尿として排泄する作用があり、イライラや不眠症を防ぐ効果も期待できます。同時に末梢血管を拡張して血圧を下げるので、高血圧を改善し動脈硬化の予防に効果を発揮します。

選び方

 緑色が鮮やかで、穂先が締まっているものを選びましょう。また、茎が真っすぐに伸び、全体にハリがあるものが新鮮です。切り口が乾燥したり変色しているものや茎が曲がったものは、鮮度が落ちているので避けましょう。

保存方法

 新鮮であればあるほど柔らかくおいしく食べられるので、なるべく買ったその日のうちに使い切りましょう。ラップで包むかポリ袋等に入れて冷蔵庫の野菜室に入れれば、1~2日保存が可能です。横向きに置くと穂先が上向きに起きようとする性質があり、その際使われるエネルギーで栄養素が失われ鮮度が早く落ちてしまうので、穂先を上にして立てて保存しましょう。長期保存するときには色が変わる程度にサッとゆで粗熱を取ってから冷凍しましょう。

*このコーナーの文章は、独立行政法人/農畜産業振興機構 「野菜ブック 食育のために」. から引用させていただいています。