主な種類と特徴

にんじんは、江戸時代に中国から入ってきた東洋種と、明治時代に導入された西洋種の大きく2つに分けられます。栽培期間が短く、収穫作業のしやすい短根であることから、現在は西洋種の栽培が多く、”五寸にんじん”が主流となっています。東洋種で現在一般的に流通しているのは”金時にんじん”と呼ばれる品種です。
*五寸にんじん 五寸にんじんは根の長さが15~20㎝くらいの円錐形をした西洋にんじんです。品種改良により甘みが強く、にんじん特有の臭みも少なくなっており、現在の主流の品種群となっています。
*金時にんじん 長さは30㎝程度で、国内で唯一残った東洋にんじんです。トマトにも含まれるリコペンを含み、紅色をしています。‘京にんじん’とも呼ばれ、甘みが強く、肉質が柔らかい特徴があります。
*三寸にんじん 三寸にんじんは、長さ10㎝程度の円錐形の西洋にんじんです。早生品種で生育は早いですが、収量が少ないため、現在ではほとんど栽培されていません。
*大長にんじん 大長にんじんは、長さが60~80㎝程度にもなる大型の西洋にんじんです。栽培に手間がかかりますが、柔らかく甘みが強いのが特徴で、正月用に少量出回ります。
*ミニキャロット 長さが10㎝程度の小型の西洋種で、‘ベビーキャロット’ともいいます。甘みが強くにんじん特有の臭いも少ないため、皮ごと食べられます。スティックサラダや料理の付け合わせ等に使われます。
葉にんじん 夏の葉物としてにんじんの葉を若いうちに収穫したものです。臭いも少ないため、おひたしや和え物、料理のあしらい等に使われます。
*島にんじん 土壌条件から沖縄県のみで栽培される耐暑性が強い品種で、古くから滋養食として利用されてきました。直径は2㎝程度ですが、長さは30㎝にもなり、黄色で甘みが強いのが特徴です。

栄養素・機能性成分

 にんじんは、緑黄色野菜の中でもカロテンが豊富に含まれています。特に、β-カロテンは豊富で、にんじんがオレンジ色をしているのは、β-カロテンがオレンジ色をしているためです。β-カロテンは皮の近くに多く含まれているので、皮を薄めにむくとよいでしょう。そのほか、カリウムや食物繊維も含まれています。カリウムには体内の塩分を排出し、高血圧を予防する効果があり、食物繊維は便秘や痔の解消に効果があるうえ、血糖値の上昇をゆるやかにする作用があります。

選び方

 3月下旬~5月上旬は柔らかく甘みのある新にんじんが出回ります。表面がなめらかで、皮のオレンジ色が濃く、つやがあるものを選びましょう。また、軸の切り口の大きいものはしんが太くて固いので避けましょう。ずっしりと重く、みずみずしいものが良品です。生育期間中の凍傷や日焼けによって表面が黒ずむ場合があるので、茎のつけ根まで色がしっかりついているものを選びましょう。茎のつけ根は根の芯につながっているので、つけ根が細いものは甘い証拠です。

保存方法

 高温、日射により呼吸作用、蒸散作用が活発になると成分が消耗してしまいます。また、水気があると腐敗しやすくなるので十分に乾燥させてください。高温と湿気を避ければ非常に貯蔵性が高いものなので、夏場は冷蔵庫の野菜室、冬場は冷暗所に保管します。

*このコーナーの文章は、独立行政法人/農畜産業振興機構 「野菜ブック 食育のために」. から引用させていただいています。