主な種類と特徴

ばれいしょは用途によって、家庭やレストラン等で消費される生食用、ポテトチップス等に利用される加工用、かたくり粉や麺類の原料に利用されるでん粉原料用の3つに大別できます。国内総生産量の約3割を占める生食用の二大品種は、粉質系でホクホクした食感が魅力の”男爵薯”と粘質系で煮崩れしにくい”メークイン”ですが、そのほかにも”ニシユタカ”や”キタアカリ”、”インカのめざめ”等、消費の多様化によりバラエティーに富んだたくさんの品種が栽培されています。現在では、料理に応じて使い分ける消費者が増えています。
*男爵薯 明治時代に川田龍吉男爵が米国から導入したことから男爵薯と呼ばれており、日本でばれいしょが普及する機会を作った品種です。粉質でホクホクした食感が特徴なので、粉ふき芋やマッシュポテト、コロッケ等の料理に向いています。現在でも、日本人好みの食味は絶大な支持を得ています。大正5年頃にイギリスから導入され、男爵薯と人気を二分しています。
メークイン メークインは、表面がツルリとした細長い形状で、皮をむきやすいという長所があります。粉質で、煮崩れしにくく、煮物やシチュー、カレーライス等の煮込み料理に使われています。
キタアカリ 北海道の農業試験場で男爵薯とツニカを交雑させて誕生した品種です。粉質で食味の良いことから栗じゃが、黄金男爵と呼ばれています。肉の色は黄色でカロテンを多く含んでおり、ポテトサラダやコロッケに向きます。
ニシユタカ デジマと長系65号を交雑して作られた品種で、多くの収量を確保できます。粘質で煮崩れがしにくいため煮込み料理等に向いています。近年、生産が増加しており代表的な品種のひとつです。
デジマ 長崎県の総合農林試験場で交雑して作られた品種で、長崎を中心に生産されています。甘みが強く、煮物やサラダ、揚げ物等に向きます。
アンデス赤 南米アンデス山脈で栽培されていた品種をもとに開発された品種で、別名レッドアンデスと呼ばれます。表皮が赤く、肉色は鮮やかな黄色で、味も良い粉質系品種です。フレンチフライ等にして食べるほか、サラダに入れてもおいしいです。
インカのめざめ 発芽しやすい特徴を持った品種です。粘質系と粉質系の中間で、舌触りは滑らかです。栗のような濃厚な味わいのため、蒸してそのまま食べるとおいしいです。
トヨシロ 加工用に作られた品種で、表皮は淡い黄色で、肉は白色です。皮をむいたときロスが少ないよう芽が浅く、粉質で糖度が低く、揚げても褐色になりにくい特徴からポテトチップスやフレンチフライに加工されています。
コナフブキ でん粉含有量が非常に多い品種で、この量が吹雪を連想させることからコナフブキと命名されました。でん粉の原料や焼酎の原料、お好み焼き等の材料として利用されています。
ホッカイコガネ トヨシロと北海51号を交雑して作られた加工用の品種です。肉色が黄金色をしており、粉質で、糖度が高く、加工用のフレンチフライに利用されます。

栄養素・機能性成分

 ばれいしょは主成分がでん粉なので、エネルギー源になるほか、フランスでは「大地のりんご」と呼ばれるほど、ビタミンC、B1、B6、ナイアシン等のビタミン類を豊富に含みます。また、高血圧予防に効果的なカリウム、腸内環境を改善する食物繊維等も豊富です。

選び方

 ずっしりと重く、全体がふっくらとして形が良いものを選びましょう。また、皮が薄く色が均一でシワや傷がないものが新鮮です。芽が出ていたり緑化したものは、有害物質のソラニンが生成されているので避けましょう。ばれいしょは品種により特性が違いますが、肉じゃが 等には煮崩れしにくいメークイン、コロッケやマッシュポテトにはホクホクした男爵薯というように用途に合わせて選びましよう。

保存方法

 日光に当たると、緑化してソラニンという有害物質が生成されるので、新聞紙に包み、通気性のよい暗い所で保存しましょう。また、0℃近くになるとでん粉の糖化が進みやすいので、冷蔵庫で保存する場合は野菜室に入れてください。5℃くらいの暗所が理想です。大量に手に入ったら、リンゴ1~2個と一緒にビニールに入れておくと、リンゴから出るエチレンガスが発芽を抑制するので効果的です。日の当たらない場所でザルに入れておけば、1~2か月の保存が可能ですが、新じゃがは水分を含んでいるので、長期保存せず1週間前後で使い切りましょう。また、カットしたものはラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存し、なるべく早めに使いきりましょう。

*このコーナーの文章は、独立行政法人/農畜産業振興機構 「野菜ブック 食育のために」. から引用させていただいています。