主な種類と特徴

かんしょは、形、皮の色、肉の色等が品種によって様々です。品種は、世界に4000種類あるといわれていますが、日本での栽培は40品種程度。日本の育種はたいへん進んでおり、生食用、でん粉・アルコール等の加工用、飼料用等それぞれの用途に適した品種が開発されています。
*ベニアズマ 関東地方の代表品種で、現在生食用の中でもっとも人気のある品種の一つ。塊根の太りが早く収量も多いのが特徴で、皮が厚く濃赤紫色をしており、加熱すると鮮やかな紅色になります。肉は濃黄色で、繊維が少ないため口当たりが良く甘味が強く粉質でホクホクしています。
*安納芋 鹿児島県種子島の特産品です。形は丸っこく、こぶりながらも水分を多く含んでいます。肉はオレンジ色 で、にんじんに多く含まれるカロテンを含んでいます。ねっとりした食感と非常に高い糖度が特徴で、種子島の‘蜜芋’としても有名になっています。
*高系14号 西日本での生産量が多く、それぞれの産地で 独自の名前で生産されています。徳島県の里姫、鳴門金時や石川県の五郎島金時等もこの系統です。皮は紫紅色、肉は淡黄色で、繊維質が少なく、糖度が高くややねっとりした質感をしています。
*パープルスイートロード 皮は濃紫色、肉も色鮮やかな紫色です。甘くて美味しい紫芋へと品種改良されたもので、食べておいしいだけではなく、ポリフェノールの一種アントシアニンが多く含まれているので、機能性食品としても注目されています。ソフトクリームやお菓子の材料のほか、生食用としても使われ幅広く利用されています。
*コガネセンガン(黄金千貫) 南九州で栽培される品種で皮は淡黄色、肉は白っぽい黄色をしています。 主に芋焼酎の原料として使用されますが、「黄金を千貫積んででも食べたいくらいおいしい」ことからその名が付いたともいわれるように、ホクホクとして味がよいため青果用としても流通しています。
*タマユタカ(玉豊) タマユタカは、茨城県ひたちなかを中心とした加工品「干し芋」の原料として用いられる品種で皮は淡黄白色、中身は白色をしています。粘質で収量が多くいも自体にそれほど甘みはありませんが、干し芋にすると甘みが出ます。家畜の飼料用としても利用されています。

栄養素・機能性成分

 かんしょの主な成分はエネルギー供給源となるでん粉ですが、ビタミンやミネラル、食物繊維も多く含まれています。しみやそばかすを抑制するビタミンCですが、熱に弱いという性質があります。しかし、かんしょの場合は加熱によってでんぷんが「糊化」し、膜となってビタミンCの消失を防いでくれます。また、強い抗酸化機能を発揮して老化を防止するビタミンEや、余分なナトリウムの排泄を促し、むくみの解消や高血圧予防に有効とされるカリウムも多く含みます。そのほか、切り口から出る白い液体成分”ヤラピン”は、食物繊維とともに便秘解消の効果があります。

選び方

 かんしょは全体が均等な色で、よく 太った紡錘形をしたものが良品です。 極端に細いものやデコボコしたもの、 黒い斑点があるものは避けましょう。糖度が高いものは切り口にアメ色 のみつが染み出てくるので、じっくり観察し、切り口にみつが出ているものを見つけたら、ぜひ選んでみてください。

保存方法

 かんしょは、寒さと乾燥に弱く、貯蔵適温は12℃±2℃前後です。冷蔵庫には入れず、新聞紙等で包み冷暗所で保存しましょう。使いかけのものはラップで包み冷蔵庫の野菜室に入れ、早めに使い切ります。加熱すると冷凍保存も可能です。輪切りや角切りにしたものは、煮汁や汁物に凍ったまま利用しましょう。つぶして冷凍する際は、平らにしてジッパー付きのポリ袋に入れ、箸等で溝を作っておくと、使う分だけ折って取り出せるので便利です。

*このコーナーの文章は、独立行政法人/農畜産業振興機構 「野菜ブック 食育のために」. から引用させていただいています。