主な種類と特徴

アジアの熱帯に分布する多年草で、種子ではなくいもで増えます。いもは茎が肥大したもので、株の中心に大きな親いもがあり、そこから子いもが分球して増えていきます。孫いもは子いもからさらに分球したいもをいいます。さといもは、子いも・孫いもを食べる子いも用品種、親いもと子いもを 食べる親・子いも兼用品種、親いもを食べる親いも用品種に分類されます。このほか、ズイキと呼ばれる葉柄を食べる葉柄専用品種もあります。
*どだれ(土垂) 関東を中心に栽培される流通量の多いさといもで、コロンとした楕円形をしているのが特徴です。貯蔵性が良いため、一年中出回っています。煮くずれしにくく、ホクホクした食感が好まれる代表的な品種です。
*石川早生 主に7~8月の夏場に収穫できるさといもで、土垂と比べると小ぶりで丸形をしているのが特徴です。粘質(ぬめり)が強いので、皮ごとゆでて皮から押し出し、ごま塩等を付けて食べる「きぬかつぎ」という料理が有名です。
*唐いも(えびいも) 「土寄せ」という特別な栽培方法により、えび型にしたさといもで、関西ではえびいもと呼ばれる高級京野菜のひとつです。肉質が柔らかい上、煮くずれしない特徴があり、独特の甘みと風味で親しまれています。
*八つ頭 親いもと子いもが分かれずに塊状になったさといもで、一つの親いもから八方に子いもがつくのが名前の由来です。粘質でほっくりして味もよく、縁起物としてお正月のおせち料理で使われます。また、孫いもは小さく、八つ子という名称で出荷されています。
*セレベス ンドネシアの「セレベス島」から伝わったさといもで、全体に赤みがかっています。さといも独特のぬめりが少なく、親いもは粉質と粘質の中間の口当たりですが、子いもは大型で粘質という特徴があります。薄味の煮物に向いています。

 

栄養素・機能性成分

 さといもは水分が多いことから、一般的にエネルギーが高いいも類の中では、最も低エネルギーの部類に入ります。また、カリウムが豊富に含まれているので、余分な塩分を排出する効果があり、高血圧の予防につながります。そのほか食物繊維が多く含まれています。食物繊維は便秘の解消に効果があるので、低エネルギーのさといもを食べれば、肥満解消にもなり生活習慣病の予防にもなります。さらに注目されているのは、さといものぬめりです。これはたんぱく質と多糖類のガラクタンからできている成分で、胃の粘膜や腸の働きを活発にし、血糖値の上昇や血中のコレステロールを抑える働きがあるといわれています。

選び方

 土が適度についており、表面がしっとりと湿っているものが新鮮です。シマ模様がくっきりと出ているものが、 順調に生育した良品です。重量があり固くてしまったものを選びましょう。 また、粘りのあるタイプ(土垂、石川早生等)とホクホクしたタイプ(セレベス、八つ頭等)があるので品種を選んで使いましょう。

保存方法

 熱帯地方原産なので高温多湿を好み、乾燥や寒さに非常に弱い作物です。泥付きなら新聞にくるみ湿度を保ち、常温で保管します。表面が湿っている場合は、そのままだとカビ臭くなるので、天日でさっと乾燥させるのがよいでしょう。皮をむいてあるものは早めに使いきりましょう。

*このコーナーの文章は、独立行政法人/農畜産業振興機構 「野菜ブック 食育のために」. から引用させていただいています。